セイロンの紅茶とは?
紅茶の茶葉を購入する際、「ケニア」や「ラプサンスーチョン」、「ジャワ」など生産国の特徴を表す紅茶の名称がラベルに表示されています。
その数ある紅茶の名称に「セイロン」という名前を持つ紅茶があるのですが、いったいどういった紅茶なのかご存知ですか?
セイロン(錫蘭)とは、インド半島の南東部に位置する島国です。
1802年にイギリス直轄の植民地となり、1948年にイギリス連邦内の自治領として独立を果たし、1972年にセイロンからスリランカに改称し、現在に至ります。
もうお気付きかと思いますが、セイロンとは、スリランカの紅茶という意味になります。
スリランカは、紅茶輸出量をインドと争うほどの紅茶大国です。
セイロンの5大紅茶として有名な「ウバ」「キャンディ」「ディンブラ」「ルフナ」「ヌワラエリア」は、日本国内でもたいへん有名な銘柄となっています。
では、セイロンの紅茶の特徴や歴史などをご紹介したいと思います。
セイロンの紅茶の味や香りは?
セイロンの茶葉は、日本でもたいへんメジャーですので、皆さん1度は飲んだことがあるのではないでしょうか?
特に、癖の少ない「ディンブラ」はティーバッグ用やペットボトル入り紅茶として用いられています。
また、夏の定番であるアイスティーに用いられる「キャンディ」は、水色が清流のような美しさとあっさりとした喉越しを持つ特徴的な紅茶です。
ディンブラ同様、癖のない「おいしい紅茶」として重宝されています。
また、香りが弱いのが難点ではありますが、ストレートティーやミルクティー、レモンティーなど多種多様なアレンジが出来るのも魅力の一つです。
セイロンの茶葉には「まがい物」も出回っているため、純正のセイロンティーである証として「スリランカ紅茶局」から認証されるライオンが剣を持ったマークが表示されています。
さらに、このマークは、日本の厳しい安全基準をクリアした証明でもありますので、合わせて覚えておくと良いでしょう。
何にせよ、これだけ日本人に愛されている厳選された紅茶セイロンは、とてもおいしい紅茶と言えるでしょう。
セイロンの紅茶!特徴と歴史は?
セイロンと呼ばれる茶葉は、スリランカで年間およそ30万トン生産されています。
スリランカの紅茶は、世界各国で「セイロンティー」という名で親しまれており、スリランカの主要輸出農作物となっています。
摘み取られた茶葉は、主に伝統的なオーソドックス製法で加工されています。
現在では、CTC製法や緑茶として世界100か国以上に輸出されています。
スリランカは、1年を通して平均気温が20度以上であり、尚かつ湿度が高い特徴を持つ国です。
さらに、雨季と乾季が明確であるため、紅茶の原材料となる「チャノキ」の育成に最適な環境なのです。
スリランカは、生産地によって、茶葉の香りや味わいなどが異なる個性豊かなおいしい紅茶がたくさん生産されています。
中でも高地で生産されている、ウダプセラワ・ウバ・ディンブラ・ヌワラエリアはハイグロウンティーと呼ばれ、明るめのオレンジ色の水色を持つデリケートな味わいを持つ紅茶となります。
中地で生産されている「キャンディ」は、自然な甘みと円熟した味わいを持つ紅茶となります。
低地で生産されている「ルナフ」や「サバラガムワ」は、セイロンとして販売されている紅茶のおおよそ60%を占めています。
これは、安定したコクとしっかりとした甘みのある紅茶となり、水色が他の紅茶と比べて濃いのが特徴です。