アッサムの紅茶とは?
紅茶大国インドでダージリンと共に生産されているアッサムをご紹介しましょう。
アッサムは、インドの北東部に位置するアッサム地方のプラマプトラ河という大きな河川を中心に栽培されている紅茶の茶葉です。
この地域は、世界でもトップクラスの雨量が多い地帯と言われています。
高温多湿の気候に加え、モンスーンと呼ばれる季節風の影響によって品質の良いアッサムの茶葉が誕生します。
また、この地方は、世界最大の紅茶産地としてたいへん有名な土地でもあります。
インドにおける紅茶生産量のほぼ半数をアッサムが占めています。
ダージリンの生産量は年間およそ1トン前後で、インドの紅茶生産量の1割ですから、アッサムが如何にインドの紅茶産業を支えているのかが窺えます。
では、そんなアッサムという紅茶の茶葉についてご説明します。
アッサム紅茶の味や香りは?
アッサムの茶葉は、1年に3度「摘み取り」が行われます。
アッサムの「ファーストフラッシュ」は、ダージリン同様、瑞々しいフレッシュな香りと味わいを持つ爽やかなおいしい紅茶となります。
「セカンドフラッシュ」は、香りと味わいが引き立つアッサムとなります。
また、秋摘みの「オータムナル」もダージリン同様、大人向けの渋みと苦みを持つアッサムとなります。
10月頃に摘み取られるアッサムの茶葉には、ゴールデンチップがたっぷりと含まれているので、とても品質の良い紅茶として知られています。
アッサムの茶葉はCTC製法を用いて紅茶の茶葉を製造することが多く、独特な香りや味わい、そして水色を最大限引き出すことが出来ます。
さらに、アッサムの濃厚な深いコクや甘みはミルクとの相性が良いため、CTC製法で製造したアッサムの需要が高い傾向にあります。
しかし、セカンドフラッシュの場合、一部のアッサム栽培茶園では期間限定で「オーソドックス製法」で作ったリーフ型の茶葉を販売しているところもあります。
アッサムの水色は濃いダークブラウンをしており、濃厚な味わいとこんがりとした焦げたスモーキーな香りと正統的な香りを併せ持つ独特な茶葉となっています。
また、モルトのような香ばしくて食欲をそそるモルティーな味わいはミルクとの相性が抜群です。
アッサムは正統派の紅茶として日本でも人気があります。
ただ、ストレートで飲用するよりもミルクを加えた方が、茶葉の香りや味わいが引き立ちますのでおススメです。
是非、機会がありましたら1度アッサムをミルクで煮出した「チャイ」を召し上がってみてはいかがでしょうか。
アッサムの紅茶の特徴と歴史
アッサムは、アッサム種と呼ばれる紅茶向けのチャノキから摘み取られる茶葉を使用しています。
以前は、紅茶の茶葉も「緑茶向け」の中国種を使用していました。
しかし、アッサム地方で発見された「アッサム種」の方が中国種よりも葉肉が厚くて柔らかく、非常に発酵しやすい茶葉です。
ですから、インドやスリランカを中心にインドネシアやアフリカ諸国などで生育されるようになったのです。
また、アッサムは、中国種よりも香りが良く、濃厚な味わいを持つ紅茶となるため、深いコクと渋みを持ち、水色も中国種と比べてブラックに近いブラウンとなります。
アッサムの特徴は、茶葉にゴールドチップと呼ばれる淡い茶色の芯芽がよく確認されることです。
あと、アッサムはタンニンの含有量がダージリンよりも多いため、入れた紅茶が冷えてしまうと「クリームダウン」という現象が起こりやすいです。
アッサムの紅茶を入れる際には、十分ご注意ください。