紅茶のおいしい入れ方 ジャンピングとは?
「ジャンピング」は紅茶のおいしい入れ方と深く関わってくる言葉です。
今回はジャンピングとは、一体どんな役割を持つのか?なぜ必要なのかについてご説明します。
ジャンピングとは、沸かしたお湯を紅茶の茶葉が入っているティーポットへ注いだ際、熱の作用によって、ティーポット内部で茶葉が湯内を跳ね上がったり、躍り上がったりと上下運動を繰り返し行う現象です。
ちなみに、ジャンピングとは、日本独自の紅茶用語で、海外では通用しませんのでご注意ください。
では、なぜ、このジャンピングが起きるかと言いますと、一部の空気や水に熱を加えると、その部分の密度が小さくなり、上層に上がります。
すると、熱が加わっていない密度の大きな部分が下層に向かって流れ、熱が伝わるため、ティーポット内部の茶葉が躍り上がるという仕組みなのです。
ジャンピングを発生させると、茶葉の持つ香りや風味を、とてもうまく引き出すことが出来るため、非常においしい紅茶を入れることが出来ます。
紅茶のおいしい入れ方とジャンピングについて
ジャンピングを起こすためには、紅茶の美味しい入れ方を記したゴールデンルールに記載されている3つが重要です。
- 紅茶を入れるためのティーポットを温めること
- 新鮮な水を使用して沸かしたお湯を使用すること
- 紅茶の茶葉を蒸らす時間を大切にすること
ジャンピングを起こすためには、まず「酸素」がたっぷり含まれた「新鮮な軟水」を用意します。
軟水とは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル類の含有量の低い水です。
軟水は、紅茶との相性が非常に良いのでジャンピングを起こすのに最適なのです。
紅茶のおいしい入れ方とジャンピングの流れ
新鮮な軟水を98度まで熱し、事前に湯通しした丸みを帯びたティーポットへ、30cmほどの高さから勢いよく注ぎ、蓋をして茶葉を蒸らします。
これがジャンピングを起こすために必要な手順です。
ジャンピングに成功すると、お湯を注いで蓋をした瞬間から、ティーポットの内部で茶葉が上下にゆっくりと踊り出します。
そして、茶葉も十分に開いた状態でフワフワと動いています。
70度から80度の沸騰が不十分なお湯を使用すると、茶葉は上層部でプカプカと浮いた状態となり、ジャンピング現象が見られません。
さらに茶葉が十分に開かないため、茶葉に含まれる旨味やコクを充分に引き出すことが出来ません。
逆に、煮沸したお湯を使用して煮え立たせ過ぎると、含有されている酸素が失われます。
その結果、茶葉はしっかり開くものの、茶葉のほとんどが下層へ沈むため、これもまた茶葉の旨味やコクを引き出すことが出来ない状態となります。
また、お湯の温度によっても、茶葉の開きや沈み度合は違います。
ジャンピングでは、この「開く」と「沈む」をしっかり見極めるこが重要ですので、覚えておきましょう。